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「女子選手の心を動かす指導とは?ー男子との違いに戸惑った私がたどり着いた答えー」

①問題提起

私のサッカー指導者としてのスタートは、女子サッカーの指導でした。そして、このような壁にぶつかりました。

「プレイヤー時代に教えてもらった時と同じようにやってもうまくいかない。」と。

練習の強度は同じくらい。やることも声かけもそんなに変わっているとは思えない。

そんな中で、選手たちの顔が徐々に曇り始めているように感じた時がありました。

②違いに気づいたきっかけ

最初に気づいたのは、私の声かけへの反応でした。例えば、「もっと気合いを入れろ!」と叱咤する場面があったとします。

男子サッカーの場合では、その言葉でスイッチが入ることがほとんどでした。

それが女子サッカーの場合では、スイッチが入るというよりも、「萎縮」や「距離感」が生まれることがあったのです。

そのような「違和感」を感じながら、運動心理学などを学んでいくうちに、男女の間には適したアプローチの仕方が異なるということに気づきました。

男女においてさまざまな違いはありますが、私は、その中でも特に「共感ベースの関係構築」が圧倒的に重要なのではないかという考えのもと、行動していくようになりました。

③具体的にどう工夫したか

「共感ベースの関係構築」を行うにあたって、私は次の3つを意識するようにしました。

1つ目「日常会話を大切に」ということです。
具体的な行動としては、トレーニング外での関わりの機会を増やすようにしました。一緒にご飯を食べる、自主練に付き合う、など、行ってきたことは多岐に渡ります。同じ時間を共にすることで、サッカーの話もそうでない話もできる関係性を築くことができました。

2つ目「言葉選びを変える」ということです。
前述のように、男子選手には「もっと走れ!」「集中しろ!」といった短く強めの言葉が響く場面が多かったですが、女子選手にはそのやり方が必ずしも効果的ではありませんでした。

そこで、「ああしよう」「こうしよう」というような「指示」の声かけの比重を減らし、「この場合どうしたらいいと思う?」などというような「問いかけ」の声かけを多くするように心がけました。こうした言葉をかけると、自分で考えて答えることが習慣になり、自然とプレーにも主体性が出てくるようになりました。一方的な指示よりも、自分で選ぶ感覚を持たせる。それが、女子選手たちのやる気を引き出すひとつの鍵でした。

3つ目「チーム内で“聴く”文化を育てる」ということです。

これは、2つ目の「言葉選びを変える」と少し似通っている部分があります。具体的な行動としては、選手同士が話すことができる時間を設けるということです。

指導者側から全て指示を出すことはもちろん簡単ですが、それでは「共感」は生まれません。

選手達でしか共有できないこともあるはずです。そういった「肌感」を大切にして欲しいという思いから、「試合のインターバルでは指導者が話す時間は半分以下」「ゲーム形式のトレーニング前は口を挟まない」ということをルールを自分に課していました。

男子の場合でも、このアプローチは必要なことですが、とりわけ意識して行うようにしました。

上記3つのことを特に意識した上で「共感ベースの関係構築」を行った結果、選手からも自発的な発言や提案の増加、ピッチ内外での主体性にも変化が現れるなど、良い姿がたくさん見られるようになりました。

また、かつて感じていた選手の「萎縮」や「距離感を感じること」も格段に減らすことができました。

当初感じていた課題感を解決してからは、チームのあれこれが円滑に進められるようになったと、私も選手も実感することができました。

④まとめ

ここまで述べてきましたが、私は、男子と女子の指導にこれといった「正解」はないと思っています。

しかし、それぞれに「違いがある」ということに気づくことで、よりよい関わり方ができるのではないでしょうか。

あなたのチームはどんな言葉に一番反応しますか?

まずは、「今の関わり方が伝わっているか?」というところから振り返ってみるのも、チームづくりを円滑に進めるための方法のひとつかもしれません。

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