反抗期の選手と向き合う方法

育成年代の指導現場では、避けて通れないのが「反抗期の選手」との関わりです。
返事をしない、指示に従わない、態度がとがる。指導者として戸惑いやストレスを感じる場面も少なくありません。
しかし、反抗期は「問題」ではなく、自立に向かう重要な発達段階です。向き合い方次第で、反発は大きな成長エネルギーに変わります。
反抗期の選手と向き合う方法
反抗期は「考え始めた証拠」
反抗的な態度は、単なるわがままではありません。「なぜそうするのか」「本当に正しいのか」と、指導や環境を自分なりに咀嚼し始めたサインです。
つまり、思考が他律から自律へ移行している途中だと捉えることができます。
この段階で一方的に抑え込むと、表面的な従順さは得られても、主体性や判断力は育ちにくくなります。
正面衝突は逆効果になりやすい
反抗期の選手に対して、権威や立場で押さえつけるとどうなるでしょうか。
多くの場合、選手は「聞いてもらえない」と感じ、さらに心を閉ざします。結果として、態度は改善せず、関係性だけが悪化します。
重要なのは「勝つこと」ではなく、対話を続けられる関係を保つことです。
指示から「選択肢提示」へ
反抗が強い選手ほど、「やらされ感」に敏感です。そこで有効なのが、命令ではなく選択肢を提示するコミュニケーションです。
「こうしなさい」ではなく、「今の状況だと、この2つの選択肢があるけど、どう思う?」
選択する余地を与えることで、選手は自分で考え、責任を持つようになります。これは自立心を育てる上で非常に重要なプロセスです。
感情ではなく「事実」にフォーカスする
反抗期の選手は、感情的な言葉に強く反発します。「態度が悪い」「やる気がない」といった評価的表現は避けるべきです。
代わりに使いたいのは、事実ベースのフィードバックです。「今の練習で声が出ていなかったね」「3回同じミスが続いているけど、原因は何だと思う?」
感情を挟まないことで、話は対立ではなく思考に向かいます。
「認める」が反発を和らげる
反抗期の選手は、「認められていない」という感覚を強く持ちがちです。プレーだけでなく、考えや意見そのものを一度受け止めることが大切です。
「そう考えたんだね」
「その意見は一理あると思う」
すぐに結論を出さず、まず承認する。これだけで、選手の心の硬さは大きく緩みます。
距離を保つ勇気も必要
すべての選手と常に密接に関わる必要はありません。
反抗が強い時期は、あえて距離を取り、見守る姿勢を選ぶことも指導の一つです。
重要なのは「突き放す」のではなく、「いつでも話せる」という安心感を残しておくことです。
反抗期を越えた先にあるもの
適切に関わられた反抗期の選手は、
・自分で考える力
・他者と意見をすり合わせる力
・困難に向き合う粘り強さ
を身につけていきます。反発のエネルギーは、正しく使えば大きな推進力になります。
反抗は成長の入り口
反抗期は、指導者の力量が試される時期でもあります。
選手を「扱いにくい存在」と見るか、「成長途中の存在」と見るかで、関わり方は大きく変わります。
反発を恐れず、対話をあきらめないこと。それが、選手の自立と本当の成長につながっていきます。