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“扱いづらい選手”とは?個性と向き合う指導のコツ

どんなチームにも、1人や2人は「扱いづらい」と感じる選手がいるものです。

練習の指示に素直に従わなかったり、チームメイトと衝突したり、感情の起伏が激しかったり…。指導者として、頭を悩ませる場面も少なくありません。

しかし、そうした選手ほど、大きなポテンシャルを秘めている可能性があります。一見「問題児」と見られがちな選手の中にこそ、他にはない突出した個性や強さが眠っていることもあるのです。

本記事では、指導者が「扱いづらい選手」とどう向き合い、どのようにしてその才能を引き出していけるのかについて、具体的な視点と実践方法をご紹介します。

“扱いづらい選手”とはどういう存在か?

「扱いづらい」と感じる選手には、いくつかの共通する特徴があります。

たとえば以下のようなタイプです。

・協調性に欠ける(チームのルールに従わない、輪を乱す)
・感情の起伏が激しい(怒りっぽい、落ち込みやすい)
・自己主張が強い(コーチの指示より自分の考えを優先する)
・やる気の波が激しい(ムラがある、集中力が持続しない)

こうした特徴を持つ選手に対して、多くの指導者は「手がかかる」「周囲に悪影響を与える」といった理由で距離を置いてしまいがちです。

しかし、本当に大切なのは、その裏にある“理由”を見極めることです。

問題行動の裏には「承認欲求」と「不安」がある

多くの“扱いづらい選手”は、わざと問題を起こしているわけではありません。実はその行動の裏側には、「認めてほしい」「見てほしい」という強い承認欲求や、「失敗したらどうしよう」「自分にはできないかもしれない」という不安や自己肯定感の低さが隠れていることが多いのです。

たとえば、指示に逆らう選手は、「自分の考えを尊重してほしい」と感じているのかもしれません。感情的になりやすい選手は、うまく自分の気持ちを表現する術を知らないだけかもしれません。表面的な行動だけを見て判断せず、その背景にある感情や思考に目を向けることが、指導者には求められます。

個性と向き合うための3つのアプローチ

扱いづらい選手の可能性を引き出すためには、「こうあるべき」という型にはめるのではなく、その選手の個性を理解し、伸ばすためのコミュニケーションが欠かせません。

以下の3つのアプローチを意識することで、選手との関係性が大きく変わっていきます。

① 否定より「観察」と「対話」

感情的な言動や行動に対してすぐに叱るのではなく、まずは観察し、冷静に話を聞くことが大切です。「どうしてそうしたのか?」「何を考えていたのか?」と問いかけ、選手自身に言語化させることで、自分の行動を客観的に見つめるきっかけになります。

また、頭ごなしに「間違っている」と決めつけず、「なるほど、そう思ったんだね」とまず受け止めることで、選手の心の扉は開きやすくなります。「自分のことを理解してくれる大人がいる」と感じたとき、選手は変わり始めるのです。

② 強みを見つけて言葉で伝える

どんな選手にも、必ず「その子らしさ」があります。たとえ行動に問題があっても、そこに潜むエネルギーや好奇心、独創性は、将来的な大きな武器になる可能性を秘めています。

「お前は〇〇が得意だな」「その発想はおもしろいな」と、ポジティブな側面を具体的に言葉で伝えることは、自己肯定感を高めるうえで非常に効果的です。「自分は認められている」という実感が、自律的な行動につながっていきます。

③ 「ルール」より「関係性」で動かす

規律を守ることは大切ですが、厳格なルールで縛るだけでは選手は動きません。特に“個性の強い選手”は、「なぜそれが必要なのか」を自分で納得しないと行動に移せない傾向があります。

だからこそ、信頼関係を土台にした指導が求められます。「この人の言うことなら聞いてみよう」「この人に認められたい」と思わせる関係性を築くことが、結果として選手の主体性を引き出す近道になります。

問題児と思われがちな選手ほど、将来大化けする

過去のトップアスリートの中には、少年時代に“問題児”扱いされていた選手が数多くいます。

規格外の行動や反骨心、反発心が、やがて誰にも真似できないパフォーマンスや突破力となって花開いたのです。

扱いづらさの中には、他の選手にはない“異物感”や“エネルギーの強さ”が潜んでいます。これは、見方を変えれば“才能の芽”です。枠に収めようとするのではなく、その芽をどう育てるか。そこに、指導者としての真価が問われます。

 

「問題」と向き合うのではなく、「可能性」と向き合う

扱いづらい選手と向き合うことは、時に根気も忍耐も必要です。しかし、その選手の内側にある「なぜこうなるのか」という問いに向き合い、個性を尊重しながら育てていくことは、指導者にとってかけがえのない経験になります。

“問題”の奥には、必ず“可能性”が隠れています。一人ひとりの選手を型にはめるのではなく、その子にしかない伸びしろを見つけて育てていくこと。

それこそが、これからの指導者に求められる新しいスタンダードなのではないでしょうか。

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