サッカー審判の資格体系を徹底解説

サッカー審判に興味があり、資格取得を目指している方に向けて、本記事では日本サッカー協会(JFA)が定めるサッカー審判の資格体系を4級から1級まで網羅的に解説します。
各級の業務範囲、資格の取得手順、そして気になるテスト内容についても詳しく説明することで、どの資格を目指すべきか、どのように準備を進めれば良いかを理解できます。
この記事を読めば、あなたに合った審判資格を見つけ、サッカーへの関わり方を深める第一歩を踏み出せるでしょう。
サッカー審判の資格体系
サッカー審判の資格は、4級、3級、2級、1級の4段階に分かれています。それぞれの資格で担当できる試合の種類や、求められるスキル、受験資格などが異なります。
上位の資格を取得するには、下位資格の取得と一定の実績が必要です。
1. 4級審判員:初心者向け資格
4級審判員は、サッカー審判の入門資格です。12歳以上であれば誰でも取得できます。主に、都道府県サッカー協会に登録されているチームの下部組織の試合や、練習試合などで審判を務めます。
4級審判員の業務範囲
4級審判員が担当できる試合は下記の通りです。
- 都道府県サッカー協会登録チームの下部組織の試合
- 練習試合
- チーム内試合
- 学校の部活動の公式戦
4級審判員資格の取得手順
4級審判員資格を取得するには、以下の手順を踏みます。
- 都道府県サッカー協会への登録
- 都道府県サッカー協会が主催する4級審判員講習会への参加
- 講習会におけるルール講習の受講
- 講習会における筆記試験の合格
4級審判員資格テストの内容
4級審判員資格のテストは、筆記試験です。サッカーのルールに関する問題が出題されます。
講習会で学んだ内容を理解していれば、合格できるレベルです。
2. 3級審判員:都道府県レベルの試合を担当
3級審判員は、都道府県レベルの公式戦を担当できる資格です。4級審判員の資格取得後、一定の経験を積むことで受験資格が得られます。
3級審判員の業務範囲
3級審判員が担当できる試合は下記の通りです。
- 都道府県サッカー協会主催の試合
- 中学校・高校の全国大会地方予選
3級審判員資格の取得手順
3級審判員資格を取得するには、以下の手順を踏みます。
- 4級審判員資格の取得後、6ヶ月以上経過していること
- 15歳以上であること
- 主審または副審として15試合以上、かつ主審として8試合以上、副審として5試合以上の経験があること
- 都道府県サッカー協会が主催する3級審判員講習会への参加
- 講習会における体力テスト、筆記試験に合格
3級審判員資格テストの内容
3級審判員資格のテストは、体力テストと筆記試験です。体力テストでは、インターミッテントランニングなどが実施されます。筆記試験は、4級審判員資格試験よりも難易度が高くなります。
3. 2級審判員:地域レベルの試合を担当
2級審判員は、地域レベルの公式戦を担当できる資格です。3級審判員の資格取得後、一定の経験を積むことで受験資格が得られます。日本には9つの地域サッカー協会があり、それぞれの地域協会が講習会を開催しています。
2級審判員の業務範囲
2級審判員が担当できる試合は下記の通りです。
- 地域サッカー協会主催の試合
2級審判員資格の取得手順
2級審判員資格を取得するには、以下の手順を踏みます。
- 3級審判員資格の取得後、2年以上経過していること
- 都道府県サッカー協会の推薦を受ける
- 地域サッカー協会が主催する2級審判員講習会への参加
- 講習会における体力テスト、筆記試験、実技試験に合格
- 1次審査、2次審査に合格
2級審判員資格テストの内容
2級審判員資格のテストは、体力テスト、筆記試験、実技試験です。実技試験では、実際の試合を想定したシミュレーションなどが行われます。
4. 1級審判員:プロリーグの試合を担当
1級審判員は、Jリーグなどのプロリーグの試合を担当できる最高位の資格です。2級審判員の資格取得後、一定の経験を積むことで受験資格が得られます。2024年3月までは女子1級審判員の資格も存在していましたが、現在は1級審判員に統合されています。
1級審判員の業務範囲
1級審判員が担当できる試合は下記の通りです。
- Jリーグ(J1、J2、J3)
- その他プロリーグの試合
1級審判員資格の取得手順
1級審判員資格を取得するには、以下の手順を踏みます。
- 2級審判員資格の取得後、2年以上経過していること
- 34歳以下であること
- 地域サッカー協会の推薦を受ける
- 日本サッカー協会が主催する1級審判員認定審査会への参加
- 審査会における実技試験、筆記試験、体力テストに合格
1級審判員資格テストの内容
1級審判員資格のテストは、実技試験、筆記試験、体力テストです。非常に高いレベルが求められます。
また、審査は1年程度かけて行われ、人間性も評価対象となります。詳しくは日本サッカー協会 ウェブサイトをご覧ください。
サッカー審判の資格体系 | まとめ
サッカー審判の資格は、4級から1級まで段階的にレベルアップしていく制度となっており、それぞれの資格で担当できる試合や求められるスキル、取得条件が異なります。
初心者向けの4級からスタートし、実務経験や研修、テストを重ねていくことで、地域大会、全国大会、さらにはプロリーグの審判までステップアップすることが可能です。
審判は選手と同様にサッカーの発展を支える重要な存在です。公正な試合運営に貢献するためにも、自身の技術と知識、そして人間性を高め続ける姿勢が求められます。
これから審判資格の取得を目指す方は、自身の目標に応じたステージを見据え、着実にステップを踏んでいきましょう。