身長が伸びない/体格差に悩む選手の育て方

育成年代の現場では、「周りより身長が伸びない」「体格差で当たり負けしてしまう」といった悩みを抱える選手は少なくありません。
特に成長スピードに個人差がある時期では、体の大きさがそのまま評価につながってしまいがちです。
しかし、身長や体格はコントロールできない要素であり、指導の在り方次第で選手の将来は大きく変わります。体格差に悩む選手をどう育てるかは、指導者の重要な役割の一つです。
身長が伸びない/体格差に悩む選手の育て方
「身長=能力」という誤解が選手を萎縮させる
育成年代では、体の大きい選手が目立ちやすく、試合でも結果を出しやすい傾向があります。
そのため、無意識のうちに「大きい選手=優れている」「小さい選手=不利」という評価軸が生まれがちです。
しかし、この考え方は小柄な選手の可能性を狭めてしまいます。身長が伸びないことを理由に自信を失うと、プレーが消極的になり、本来持っている技術や判断力を発揮できなくなります。
成長スピードには個人差がある
身長の伸び方には、早熟型・平均型・晩熟型といった大きな個人差があります。
中学年代で小柄でも、高校以降に一気に伸びる選手は珍しくありません。
重要なのは、「今の体格」で将来を判断しないことです。短期的な勝利を優先して体格重視の起用を続けると、晩熟型の選手が成長する機会を失ってしまいます。
体格差を補う武器を育てる
体が小さい選手には、小さいからこそ磨ける強みがあります。
・素早い判断力
・ポジショニングの工夫
・ボールコントロール技術
・相手の動きを読む力
体格で勝てない分、「どうすれば勝てるか」を考える習慣が身につきやすいのです。
指導者は、フィジカルの差を嘆くのではなく、技術や認知面での成長に目を向ける必要があります。
無理なフィジカルトレーニングの危険性
体格差を埋めようとして、過度な筋力トレーニングを課すことは逆効果になる場合があります。成長期の骨や関節はまだ未成熟であり、無理な負荷は怪我のリスクを高めます。
特に、「大きくならないなら鍛えろ」という発想は、選手にとって大きなプレッシャーになります。フィジカル強化は年齢や成長段階に合わせ、段階的に行うことが重要です。
指導者の言葉が選手の未来を決める
体格に悩む選手は、自分ではどうにもならない部分で評価されていると感じやすいものです。そんなとき、指導者の一言が選手の自己認識を大きく左右します。
「体は小さいけど、判断はチームで一番だ」
「今は苦しい時期だけど、将来に必ずつながる」
こうした言葉は、選手が前を向くための支えになります。
体格差を理由に役割を狭めない
小柄な選手に「当たらなくていい役割」だけを与え続けると、成長の幅が狭まります。
守備や対人プレーを避けさせるのではなく、「どうすれば勝てるか」を一緒に考えることが重要です。
体格差がある中で工夫する経験は、将来レベルが上がったときに大きな財産になります。
保護者への理解促進も重要な視点
体格差に対する不安は、選手本人だけでなく保護者も抱えています。
指導者が成長の個人差や育成方針を丁寧に説明することで、不要な焦りを防ぐことができます。
「今のサイズがすべてではない」という共通認識を持つことが、選手を長期的に支える環境づくりにつながります。
体格ではなく“可能性”を見る指導を
身長や体格は、育成年代では変動する要素です。
それを理由に評価やチャンスを制限してしまうことは、選手の未来を狭めてしまいます。
体格差に悩む選手ほど、考える力や技術を磨くことで大きく成長する可能性を秘めています。
今見えているサイズではなく、その先にある可能性を見る指導こそが、真の育成と言えるでしょう。