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「指導方針に一貫性がない」と言われるチームの共通点

チームを率いる指導者にとって、「一貫性」は非常に重要なキーワードです。

戦術、練習メニュー、選手への声かけ、試合での起用方針――これらが揺れると、選手たちは「自分たちは何を信じればいいのか」と迷い、パフォーマンスに影響します。

特に複数のコーチ陣でチームを指導している場合、「誰に何を言われるかによって方針が違う」といった混乱が生じやすくなります。

選手たちはその違いを敏感に察知し、「このチームは方針がバラバラだ」と不信感を抱くのです。

では、なぜ指導方針の一貫性が欠けるのか。その背景と改善のポイントを整理してみましょう。

 コーチ陣の連携と共有の質を見直す

1. 「指導方針がバラバラ」と感じさせるチームの共通点

(1)コーチ間での“すり合わせ不足”

もっとも多いのは、コーチ同士のコミュニケーション不足です。

「監督はポゼッションを重視しているが、アシスタントはカウンターを推奨する」「守備の指導方法が人によって異なる」など、根本的な部分でのすり合わせが行われていないチームは、一貫性を保てません。

選手からすると、「昨日はこう言われたのに、今日は逆のことを言われた」という経験が積み重なり、混乱を招きます。

(2)選手への伝達が“部分的”で止まっている

指導者同士では話し合っていても、その内容が全員のコーチに共有されず、部分的な解釈で伝わってしまうケースもあります。

たとえば「今週はビルドアップの安定をテーマにする」という話が監督と一部のコーチで決まっていても、別のコーチはその情報を知らずに選手へ「もっと縦に速く展開しろ」と指導してしまう。

このズレが、選手から見た“一貫性のなさ”につながります。

(3)試合と練習の指導がつながっていない

練習では「つなぐサッカー」を徹底させているのに、試合になると「安全第一で蹴れ」と指示が飛ぶ。このように、練習と試合の方針が一致しないと、選手は「どちらを信じればいいのか」と迷ってしまいます。

この背景には、指導者側の“状況対応力”の未整理がある場合が多く、「理想」と「現実」のバランスをチーム全体で共有できていないことが原因です。

2. 一貫性を保つために必要な「コーチ陣の連携」

では、どうすれば指導方針の一貫性を高められるのでしょうか。

(1)「チーム理念」を明文化する

まず必要なのは、チームとしての基本理念を明文化することです。

「私たちはどういうサッカー(野球、バスケなど)を目指すのか」「選手の育成を優先するのか、勝利を優先するのか」――これらをあいまいにしたままでは、各コーチが自分の経験や価値観で指導し、バラバラになってしまいます。

たとえ短い文章でもよいので、「チームとして大事にすること」を明確にしておくと、指導の軸がぶれにくくなります。

(2)定期的な“コーチミーティング”の実施

チーム理念があっても、現場では状況が日々変化します。だからこそ、定期的にコーチ陣が集まり、方針を確認し合う場が必要です。

「今週のテーマはこれでいいか」「試合で出た課題を次の練習にどう反映するか」といった情報をすり合わせることで、選手への指導に一貫性が出てきます。

また、ミーティングは“伝えるための準備”でもあります。監督の頭の中だけにある考えを言葉にし、共有することで、アシスタントも同じ方向で動けるようになるのです。

(3)「声のかけ方」の統一

意外と見落とされがちなのが、選手への声かけの一貫性です。

「ミスをしてもチャレンジを評価しよう」と決めたのに、あるコーチが厳しく叱責してしまえば、選手は混乱します。

逆に、あるコーチは“ポジティブ声かけ”を徹底しているのに、別のコーチは無関心で指示をしない―これも一貫性を欠く要因です。

声かけの仕方も、ミーティングで確認しておくことで、チーム全体に共通の雰囲気をつくることができます。

3. 一貫性が生む「安心感」と「成長」

指導方針に一貫性があると、選手は安心してプレーできます。

「今日はどんなことを言われるのだろう」と不安に思う必要がなくなり、集中して練習や試合に取り組めるからです。

さらに、一貫性は選手の成長を促します。たとえば「ボールを失っても取り返す」という方針がチーム全体で徹底されていれば、練習でも試合でも同じ基準で評価され、選手はその意識を習慣化していきます。これこそが、強いチームをつくる基盤です。

一方で、一貫性を保つことは「柔軟性を失う」ことではありません。状況に応じて戦術や戦略を変えること自体は必要です。

ただし、その変更を「選手にどう説明し、どう納得してもらうか」という部分をチーム全体で共有することが大切なのです。

指導方針 | まとめ

「指導方針に一貫性がない」と言われるチームには、必ずその原因があります。

それは戦術や技術以前に、コーチ陣のコミュニケーション不足、理念の未整理、情報共有の質にあります。

逆に言えば、理念を明確にし、定期的に話し合い、選手への伝え方を揃えるだけで、チームの一体感は格段に高まります。

選手たちが安心して成長できる環境をつくるために、まずは指導者自身が「私たちはどんなチームを目指すのか」を共有し続けること。それこそが、一貫性ある指導への第一歩なのです。

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