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“エース頼み”のチームから脱却するには?

試合が劣勢になると、ボールが自然とエースに集まり、勝負を託す。

そんな構図は多くのチームに見られます。もちろん、チームにとってエースは頼れる存在です。

しかし、頼りすぎるチームは、大事な場面で脆さを見せます。エースがマークされたとき、ケガをしたとき、あるいは調子が上がらないときに、他の選手が「自分には無理だ」と思ってしまっては、チームとしての成長は止まってしまいます。

真に強いチームとは、「誰が出ても戦える」「誰かがいないときも、チームの力が落ちない」チームです。

本記事では、“エース頼み”の状態から脱却し、全員が役割を果たして輝くチームビルディングの方法を、戦術・メンタル・マネジメントの視点から解説します。

なぜ“エース頼み”になるのか?

そもそも、なぜ多くのチームが“エース頼み”の状態に陥ってしまうのでしょうか。

主な理由は以下の3つです。

① 実力差が大きい
エースとそれ以外の選手の技術・経験に大きな差があると、どうしても「エースに任せれば安心」という流れになりがちです。

② 指導の設計が“エース中心”になっている
戦術、練習メニュー、声かけなど、無意識のうちに指導者自身がエースに頼る構造を作ってしまっているケースがあります。

③ 他の選手の役割意識が希薄
エース以外の選手が「自分は脇役」「自分がやらなくても誰かがやってくれる」と思ってしまうと、プレーの質や意識が低下し、ますます依存構造が強くなってしまいます。

このように、“エース頼み”は構造の問題であり、チーム全体の設計や意識づけを変えていく必要があります。

戦術・メンタル・役割意識の整え方

“エース頼み”を解消し、全員が輝けるチームをつくるためには、以下の3つの柱を整えていくことが重要です。

① 戦術面:複数の“仕掛け役”を育てる
チーム戦術においては、「この選手だけが得点源」「この選手だけが司令塔」という構造をなくすことが大切です。

たとえばバスケットボールであれば、「複数人がボール運びをできる」「スリーポイントを打てる選手を増やす」など、攻撃の起点や決定力を分散する設計を心がけましょう。

練習メニューも偏りなく設計し、「全員がどのポジションでも最低限の役割を果たせる」「プレーの選択肢を持てる」状態を目指すことで、戦術の柔軟性が増し、エース不在時にも対応力が高まります。

② メンタル面:全員が「自分がチームの一員」という実感を持つ
試合に出場する・しないに関わらず、選手全員が「自分の存在がチームに影響している」という自覚を持つことが重要です。そのためには、試合前の円陣や作戦会議、ミーティングにサブメンバーも同等に参加することが効果的です。

また、「今日の練習で一番声を出していたのは誰か?」「途中出場の選手が試合を変えた場面はどこか?」など、目に見えにくい貢献を言葉にして評価する文化を育てることも、選手の自信とモチベーションにつながります。

③ 役割意識:サブメンバーの役割を明確にする
「試合に出る人=価値がある」「ベンチ=劣っている」という誤った認識がチーム内にあると、サブメンバーのモチベーションは保てません。そこで重要になるのが、全員に明確な役割を与えることです。

たとえば、

・「ウォーミングアップを率先してリードする」
・「試合中に声かけで流れを変える」
・「相手チームの動きを観察して、ハーフタイムに共有する」

といった、試合中・練習中の具体的な貢献を明確に伝えることで、「自分が必要とされている」と実感できます。この“自己有用感”が、控え選手の成長を加速させ、いずれチーム全体の底上げにつながります。

モチベーションを引き出すための指導者の言葉がけ

全員が主役になれるチームを作るうえで、指導者の言葉がけは極めて重要です。

以下のような表現を意識することで、選手の意識が変わります。

・「君が今日の雰囲気をつくってくれたね」
・「君のひと声でみんなが前向きになったよ」
・「試合には出なかったけど、君の準備があったから勝てた」

こうした“見えない活躍”に光を当てる言葉が、控え選手のやる気を引き出します。そしてその積み重ねが、チームの地力を強くしていくのです。

エースだけでは勝てない。全員が輝くチームが強い

どれほど優れたエースがいても、一人で勝ち続けることはできません。チームが上のレベルを目指すためには、誰が出ても機能し、全員が輝ける土壌が必要です。

そのためには、エースの成長と同時に、他の選手たちの「役割の自覚」「自信」「出番への準備」を育てる視点が欠かせません。

結果的にそれは、エース自身の負担を減らし、よりのびのびとプレーできる環境を生み出すことにもつながります。

“チームの主役”を一人にしない―

それが、これからの時代に求められるチームビルディングのあり方です。

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